ニュースリリース

シニア向け調査から見たNISAの情報伝達のギャップ
~NISAの認知は順調に進んでいる一方、理解を深める工夫が必要~

2014年1月15日

トッパン・フォームズ株式会社
株式会社シニアコム

情報管理ソリューションのトッパン・フォームズ株式会社(以下、トッパンフォームズ)と、シニアマーケティングの専門会社である株式会社シニアコム(以下、シニアコム)は、両社での共同調査として、シニア(50代~70代)に向けた「NISA(少額投資非課税制度)に関するアンケート」を実施しました。今回のアンケートでは、シニアのNISAに対する認知や資料請求、口座開設は高い水準で表れ、2014年1月からの本格スタート前の時点で、NISAの認知状況は順調に進んでいると見て取れます。ただしそれらの表立って見られるポジティブな反応の裏で、NISAの特徴や基本的な内容、留意点などの理解が十分にされていないことが判明しました。

調査結果の概要

  1. NISAの認知率は8割超に達するものの、その特徴や基本的な内容、留意点などの個別内容まで理解している割合は5~7割前後に留まった
  2. NISAを認知させる手法としては「テレビ/新聞」、認知から理解に進めるには「ダイレクトメール/インターネット」が有効
    認知をした媒体・手段としては「テレビ/新聞」のようなマス媒体が半数近くに達するが、特徴を理解した媒体・手段としては3割台に。「ダイレクトメール/インターネット」はどちらも2割台を維持して落ち込みが少なく、認知から理解へ進めるうえでバランスのとれたツールとして有効
  3. スタート前で全体の3割近くが資料請求をし、2割が口座開設。不安を感じるケースや、よく分からずに行動してしまったケースも
    アンケートの自由回答を見てみると、“住民票や申込書類など、最初の手続きが分からない”“投資する金額、対象や税制など、制度としての仕組みが分からない”など情報伝達が不十分であるために疑問や不安を感じるケースが挙がり、一部からは“NISAのことをよく分からずに資料請求や口座開設をしてしまった”というケースも見られた

情報発信側である金融機関の「伝える」と、受け取り手であるシニアに「伝わる」ギャップこそ、NISAを利用する際のコミュニケーション上の課題になります。また、NISA口座未開設の顧客獲得のためには、適切な情報伝達による理解の促進と、疑問や不安の解消が必要といえます。

トッパンフォームズとシニアコムでは、今回の調査で明らかになった点を踏まえて引き続き金融機関-シニア間での適切な情報伝達のあり方にフォーカスしたコミュニケーション手法を研究し、「伝える」と「伝わる」のギャップ解決に繋がるソリューションを提供していきます。

調査概要

調査の趣旨
両社ではこれまでに複数のシニア向け調査を共同で実施してきており、新たな金融制度として2014年1月よりスタートのNISAに着目。この制度が本格的に開始される直前のタイミングで、NISAの情報がシニアの方にどの程度「伝わっているか」を検証し、その情報伝達の手段・方法、口座開設までの行動や意識を把握する
調査手法
Webアンケート調査
対象者
50歳~79歳の男女個人(シニアコム会員)
有効回答数
713人(男性509人 女性204人)
実施時期
2013年12月6日~9日

(尚、本調査の詳細については、以下の調査結果をご参照ください。)

以上

≪引用・転載時のクレジット表記のお願い≫
本リリースの引用・転載時には、必ず両社クレジットを明記いただけますようお願い申し上げます。
<例> 「トッパンフォームズ、シニアコムが共同で実施した調査によると・・・」

調査結果

1. NISAの認知率は8割超に達するものの、その特徴や基本的な内容、留意点などの個別内容まで理解している割合は5~7 割前後に留まった

アンケートではまずNISAの概要を説明し、認知度合いを聴取しました。
今回の調査対象であるシニア(50~70代)の認知率は85~88%に上り、大多数がすでにNISAを認知しているといえます。
また年代別に見ても、今回対象の50~70代でほぼ横並びの反応が見られます。

次に、NISAの特徴や基本的な内容、留意点などの個別内容を文章で説明し、それらの内容を理解しているかどうかを聴取したところ、次のような結果となりました。

シニア全体の結果を見ると、前述の認知率は8割超と高いものの、その個別内容まで理解される割合は5~7割前後に留まりました。特に「口座の開設期間」や「購入できる金融商品」では、事前に周知されるべき重要度が高い情報でありながら、受け取り手であるシニアに十分に理解されていないギャップが認められました。。

2. NISAを認知させる手法としては「テレビ/新聞」、認知から理解に進めるには「ダイレクトメール/インターネット」が有効

こまでNISAの認知と理解について言及してきましたが、次の質問ではこれらの情報がどのような媒体や手段から伝達されたかを聴取しました。

認知をした媒体・手段としては「テレビ/新聞」のようなマス媒体が半数近くに達しますが、特徴を理解した媒体・手段としては3割台となりました。「ダイレクトメール/インターネット」はどちらも2割台を維持して落ち込みが少なく、認知から理解へ進めるうえでバランスのとれたツールとして有効と考えられます。

このことからもNISAの認知は、マス媒体を主な手段として、既に多くのシニアに知られているものの、NISAがスタートして実際に利用されていくには、理解のさらなる底上げが必須といえます。
そのためには、マス媒体に代表される「万人向けに広く告知する」情報伝達のアプローチに加えて、「特定の人向けに詳しく説明する」情報伝達のアプローチが必要と考えられます。 その意味では、上記の「ダイレクトメール/インターネット」が、NISAの理解の底上げに有効な媒体・手段の候補に挙がってきます。

3. スタート前で全体の3割近くが資料請求をし、2割が口座開設。不安を感じるケースや、よく分からずに行動してしまったケースも

アンケートの後半ではNISAの資料請求や口座開設をしたかどうかを聴取しました。

資料請求をした割合は3割近くに、既に口座開設をした割合は2割に上り、NISAのスタート前である2013年12月時点でありながら、これらの反応水準は高く表れました。さらに年齢が高まるにつれて、資料請求や口座開設の反応水準が高まる傾向も見られました。
アンケートの終盤では、NISAの資料請求や口座開設をした際に、疑問や不安を感じた内容を、自由回答形式で聴取しました。その自由回答のコメントを細かく見ていくと、資料請求や口座開設をした場合であっても、“住民票や申込書類など、最初の手続きが分からない”“投資する金額や対象や税制など、制度としての仕組みが分からない”など、情報伝達が不十分であるために疑問や不安を感じるケースが挙がりました。
さらに一部からは、“NISAのことをよく分からずに資料請求や口座開設をしてしまった”という、知らないままに行動に移してしまったケースも見られました。

詳細は以下の抜粋コメントをご覧ください。

  • 今回のアンケートを振り返ると、シニアのNISAに対する認知率や資料請求、口座開設の割合は高い水準で表れました。2014年1月からの本格スタート前の時点で、NISAの認知状況は順調に進んでいると見て取れます。
  • ただし、それらの表立って見られるポジティブな反応の裏には、NISAの特徴や基本的な内容、留意点などの理解が不十分なことが判明しました。
  • さらに、NISAの資料請求や口座開設をした方の中には、情報伝達が不十分なために疑問や不安を感じたり、内容をよく理解しないまま行動に移してしまったりするケースもありました。

以上

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TOPPANエッジ株式会社

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