ニュースリリース

「教育資金贈与信託」、資産の世代間移行を後押し
新規申し込み件数が増えるも、払い出し手続きに戸惑う生活者

2014年8月20日

情報管理ソリューションのトッパン・フォームズ株式会社(以下、トッパンフォームズ)は、お孫さんなどの教育資金として祖父母が金銭などを信託した場合に、1人あたり1,500万円まで贈与税が非課税となる制度を利用した金融商品「教育資金贈与信託」に関する調査を実施しました。
教育資金贈与信託の受託状況は2014年6月末時点で、契約数76,851件、信託財産設定額合計5,193億円(一般社団法人 信託協会、2014年8月1日発表)と、2013年4月の制度施行より安定的に増加しており、今後も申し込み、払い出しが増加すると考えられ、信託業界での関心が高まっています。
今回、トッパンフォームズでは教育資金贈与信託の活用による教育資金の贈与において、顕在化している課題を把握し、制度利用のさらなる活性化の一助とすべく、教育資金贈与信託に申し込みをしている方を対象としたアンケート調査を行いました。

調査結果の概要

  1. 教育資金贈与信託の認知度は全体で約4割、20代~30代では3割を切る
    認知経路は、贈与者が「新聞の記事/広告」、「金融機関の営業担当者」であるのに対し、受益者は、「テレビ番組/テレビCM」から認知している
  2. 贈与者・受益者ともに、資料請求は「来店して」が最多
    贈与者と受益者間の説明方法は「直接会って説明した」、「金融機関にて同席してもらった」と、対面での説明が多数を占めている
  3. 申し込みツールの「分かりやすかった」の合計は7割以上と多く、理解を進めるツール として有効
  4. 申し込み時の不安や疑問に関して、贈与者の疑問は少ないのに対して、受益者は約半数が、「制度がわからない」と手続き上の不安を抱いている
  5. 受益者の約半数がすでに払い出しの経験有
    しかし「時間がかかった」、「払い出しができなかった」など不具合多数
    今後、払い出しの人数の増加に伴い、不具合が増加する可能性がある

今回のアンケートでは、教育資金贈与信託の認知度は全体(25歳以上33,908名)では約4割という結果になりました。特に20代~30代は3割を切り、若い世代の認知の低さが見て取れます。また、払い出し経験者のうち30.6%が「払い出しができなかった」と回答しており、手続きにおける理解度が低いことが推察されます。
教育資金贈与信託の理解には現状、対面の説明が必要とされていることや、払い出しの際に不具合を感じている実態が明らかになりました。こうした手間やトラブルを軽減していくために、金融機関・贈与者・受益者間での適切な情報の伝達による理解の促進が必要と言えます。
トッパンフォームズは、今回の調査で明らかになった点を踏まえて、引き続き、適切な情報伝達のあり方にフォーカスしたコミュニケーション手法を研究し、継続して情報を提供していきます。

調査概要

調査手法
株式会社ネオマーケティングによるWEBアンケート方式で実施
対象者
25歳以上の男女
(25歳~49歳:お子さんがいる方、50歳以上:お孫さんがいる方)
有効回答数
33,908名
うち、教育資金贈与信託申し込み者200名(贈与者100名/受益者100名)
実施期間
2014年7月18日(金)~2014年7月23日(水)
(尚、本調査の詳細については、下記の調査結果をご参照ください。)

≪引用・転載時のクレジット表記のお願い≫
本リリースの引用・転載時には、必ず両社クレジットを明記いただけますようお願い申し上げます。
<例> 「トッパン・フォームズ株式会社が実施した調査によると・・・」

※贈与者:教育資金贈与信託において、お孫さんなどに教育資金の援助をする立場
受益者:教育資金贈与信託において、祖父母などから教育資金の援助を受ける立場
今回の調査においては、受益者の親世代のことをいう

調査結果

1. 教育資金贈与信託の認知度は全体で約4割、20代~30代では3割を切る
認知経路は、贈与者が「新聞の記事/広告」、「金融機関の営業担当者」であるのに対し、受益者は、「テレビ番組/テレビCM」から認知している

教育資金贈与信託の認知を聴取したところ(表1参照)、「知っている」と回答した方は全体で約4割となりました。
贈与者世代となるシニア(50代以上)の認知度は4割以上であるのに対し、受益者(及び、受益者の親、以下「受益者」)の世代である20代~40代の認知が低いことが読み取れます。今後さらなる申し込みの増加においては、受益者になり得る若い世代への認知度を高めることが課題であると考えられます。

教育資金贈与信託の認知(表1)

上記の認知者のうち、教育資金贈与信託に申し込みをした方を対象に調査を行いました。

対象者に、どこで教育資金贈与信託を知ったかを聴取したところ(表2参照)、贈与者と受益者で認知経路が異なる結果となりました。贈与者は「新聞の記事/広告」、「金融機関の営業担当者」が多く、一方、受益者は「テレビ番組/テレビCM」からの認知が多いという結果となっています。

認知経路(表2)

2. 贈与者・受益者ともに、資料請求は「来店して」が最多
贈与者と受益者間の説明方法は「直接会って説明した」、「金融機関にて同席してもらった」と、対面での説明が多数を占めている

教育資金贈与信託資料の請求方法は(表3参照)、贈与者、受益者ともに「来店して」が最も多く、来店時に対面で説明を受け、資料請求まで至ったと予想されます。また、受益者は「WEBサイトで」と回答した方も46.0%と多く、贈与者のおよそ2倍の数値という結果になっています。

資料請求方法(表3)

自身が申し込み主体となった方に、贈与者・受益者間で制度や信託についての説明を行ったかと聴取したところ(表4参照)、「金融機関にて同席してもらった」、「直接会って説明した」と対面で説明をした方が多く、資料のみでの内容理解は難しく、理解促進には資料請求にプラスして対面での説明が必要といえます。

説明方法(表4)

3. 申し込みツールの「分かりやすかった」の合計は、7割以上と多く、理解を進めるツールとして有効

教育資金贈与信託の申し込みツール(申込書、記入案内、パンフレットなど)の、「分かりやすかった」の合計は(表5参照)、贈与者・受益者共に多く、贈与者の「分かりやすかった」の合計は74.0%、受益者は79.0%と7割以上が回答しています。申し込み手続きについては、高い評価が得られている様子でした。

教育資金贈与信託の申し込みツール(申込書、記入案内、パンフレットなど)の難易度(表5)

4. 申し込み時の不安や疑問に関して、贈与者の疑問は少ないのに対して、受益者は約半数が、 「制度がわからない」と手続き上の不安を抱いている

申し込み時の不安や疑問点に関して(表6参照)、贈与者は46.0%が「特に不安感や疑問点、分かりにくいところはなかった」と回答しましたが、受益者は20.0%のみの回答となっています。「制度が分かりにくい」と回答した受益者が55.0%と半数を超える結果となっていることから、今後、長期間口座を活用するとされる受益者に対して、制度についての事前説明をきちんと行い、払い出し手続きなどへの配慮も必要だと考えられます。

不安や疑問点(表6)

5. 受益者の約半数がすでに払い出しの経験有
しかし「時間がかかった」、「払い出しができなかった」など不具合多数
今後、払い出しの人数の増加に伴い、不具合が増加する可能性がある。

受益者のみに払い出しの経験を聴取したところ(表7参照)、約半数が払い出しの経験があることが判明しました。開始から1年で払い出しの経験者が約半数であることから、教育資金贈与信託が孫世代への教育に大きな手助けになっているといえそうです。

払い出しの経験(n=100)(表7)

払い出し経験者に不具合を聴取したところ(表8参照)、約3割が「払い出しができなかった」と回答しました。また、約5割が「払い出しまでに時間がかかった」、約3割が「書類の不備を指摘された」と回答しています。申し込み前は対面での説明があり、申し込みツールも分かりやすいとの回答が多いことから、申し込みは容易だが、制度理解の違いや書類不備により、払い出しが困難であると推測されます。今後、払い出しを経験する方が増加し、払い出し時の不具合も増加するのではないでしょうか。払い出しの際にはさらなるフォローが必要なのかもしれません。

払い出しの不具合(n=49)(表8)

以上

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トッパン・フォームズ株式会社 広報部

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