ニュースリリース

線幅4μmの印刷形成技術を確立
高い透明性・導電性を実現、タッチセンサーなどに

2017年7月3日

 デジタルハイブリッドのトッパン・フォームズ株式会社(以下トッパンフォームズ)は、微細配線用導電インキ(銀塩インキ)およびそれに対応する印刷プロセス技術を組み合わせ、肉眼では確認しづらい線幅4μm(マイクロメートル)を実現する印刷微細配線形成技術を確立しました。これらの技術はタッチセンサー・パネル用の透明電極をはじめ、ウエアラブルセンサー、IoT(モノのインターネット)向けセンサーなどへの応用展開が可能となります。

印刷微細配線形成技術を応用したアプリ例:タッチセンサー・パネル(全光線透過率:85%以上、ヘーズ:2.0%以下、表面抵抗:35Ω/□)

背景

 市場が拡大しているスマートフォンなどの電子部品において、高性能化・小型化・新規機能の付与に対するニーズが高まっており電子部品の回路線幅を微細化することが必要になっています。微細配線を形成する方法として、写真現像技術を応用したフォトリソグラフィー法が主に使用されていますが、製造工程が煩雑、設備投資費用が高い、製造上の配線材料ロスが多い、環境負荷の高い廃液の発生などの課題があります。そこで製造工程を簡素化でき、必要な配線部分にだけ配線材料を使用することが可能で環境負荷が小さい印刷技術を利用した微細配線形成技術が注目されています。従来の印刷技術を用いて形成できる線幅は実用レベルで10μm前後でしたが、今回確立した技術により、線幅4μmの微細配線形成が実用レベルの連続印刷で可能になりました。

本技術の応用例

 線幅4μmの微細配線は肉眼では確認しづらいため、見かけ上配線を透明にすることができます。その応用例の一つにタッチセンサー・パネル用の透明電極があります。透明電極は一般的に、透明な金属酸化物であるITO(Indium Tin Oxide、:酸化インジウム・スズ)が使用されていますが、インジウムはレアメタルであるため、安定供給面・コスト面での課題やITO膜の形成時の高熱から耐熱性の低い基材は使用困難でした。
 今回当社が開発した印刷用導電インキは、銀インキの組成と印刷微細配線プロセス技術により、プラスチック基材用フィルムの使用が可能な温度域での微細配線形成を可能としました。これにより耐熱性の低いプラスチック基材の使用と配線の透明化を両立することができました。
 また配線を細くすることによる電子部品の小型化や、フィルムへの配線形成によるウエアラブルデバイスへの展開、微細メッシュ形成による電磁波シールドなど、さまざまなアプリケーションへの応用展開が可能となります。また一般的に銀配線を用いた電子機器では、エレクトロケミカルマイグレーションの懸念がありますが、本開発インキでは実用レベルの耐性を有しているため幅広い応用展開が可能です。

特長

  • 1. 微細配線(線幅4μm)を印刷で形成可能
  • 2. 開発した印刷インキは実用レベルの連続印刷が可能
  • 3. 配線の薄膜化(膜厚:100nm程度)も可能、導電性が良好(体積抵抗率:7μΩ・cm)
     (参考:ITO体積抵抗率は150~300μΩ・cm)
  • 4. 耐熱温度の低い、プラスチック基材(ポリカーボネートなど)へ配線形成可能
  • 5. 銀配線で懸念されるエレクトロケミカルマイグレーションについて実用レベルの耐性

今後の展開

 トッパンフォームズは、本技術を広く活用するため印刷用インキ販売、製品化に向けた企業間提携を積極的に行い、さまざまなアプリケーションの開発ならびに事業推進を図ってまいります。
以上

  • ※「デジタルハイブリッド」は、トッパン・フォームズ株式会社の登録商標です。

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